鉄スクラップとは?種類や有価物として売却できるのか解説

鉄は、船や自動車、鉄道のレール、家電製品、建設用の建材など、身の回りのさまざまな鉄鋼製品に使われる金属です。鉄鋼製品に含まれる鉄は「鉄スクラップ(鉄くず)」として回収され、再利用されています。

例えば、不要な小型家電製品やタイヤのホイールなどがあれば、鉄スクラップとして売却することも可能です。本記事では、鉄スクラップの種類や有価物として売却できる理由を詳しく解説します。

鉄スクラップとは?

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鉄スクラップとは、鉄鋼の生産時に発生する鉄くずや、不要になった鉄鋼製品を回収し、再利用したものを指します。鉄スクラップとして回収されているのは、主に自動車や機械、スチール缶、建設用の建材などです。

また使わなくなったDVDレコーダーやCDプレーヤー、カメラ、炊飯器、ガスコンロなどの小型家電製品、タイヤのホイール、カトラリー類なども鉄スクラップとして再利用できます。身の回りの鉄鋼製品が不要になったら、お近くのスクラップ買取業者に買い取りを依頼することも可能です。

毎年約4,000万トンの鉄スクラップが発生する

経済産業省によると、国内では年間約4,000万トンの鉄スクラップが回収され、さまざまな用途で再利用されています。そのうち約3,000万トンが国内利用、残りの約700万トンが国外への輸出です。[注1]

回収された鉄スクラップは、合金にして特殊鋼にしたり、鉄鋼を生産して建設用の建材(足場など)に利用したりしています。身近な例で言えば、鉄道のレールも鉄スクラップが使われているものの一つです。鉄スクラップは輸出も盛んで、主に出先は中国や韓国、台湾などの東アジア地域に輸出されています。

日本は鉄鉱石の大部分を輸入に依存していることを考えると、不要な鉄鋼製品を回収し、鉄スクラップとして再利用する取り組みは、資源やエネルギーの安定的な確保に大きく貢献しています。

[注1]経済産業省 製造産業局金属課:「金属産業の現状と課題」P36(参照2024-01-08)

鉄スクラップをリサイクルする流れ

使い終わった鉄鋼製品は、鉄スクラップとして何度も再利用できます。鉄スクラップをリサイクルする流れは以下のとおりです。

  1. 使い終わった鉄鋼製品を回収し、鉄スクラップとしてヤード(スクラップヤード)に保管する
  2. 鉄スクラップを品種別に分類する
  3. 金属切断機(ギロチンシャー)で鉄スクラップを切断・加工する
  4. 加工した鉄スクラップを鉄鋼メーカーに納入する

 
鉄スクラップはヤードで切断・加工され、鉄鋼メーカー(高炉メーカーや電炉メーカー)に送られます。鉄スクラップは鉄鋼メーカーで溶解・精錬され、再び鉄鋼として利用することが可能です。このように鉄スクラップは、限りある資源を循環させ、持続可能な社会を実現するために重要な役割を果たしています。

鉄スクラップの主な品種

鉄スクラップにはさまざまな品種がありますが、代表的な品種は「H2」と「新断」の2つです。H2は鉄スクラップの中でも広く流通している品種で、主に建築物を解体する過程で発生する厚み3mm以上6mm未満の鉄骨の柱・梁や、アングル・Cチャンネル等を再利用しています。

一方、新断は自動車や機械など、鉄鋼製品の製造・加工過程で発生する金属くずを再利用したものです。新断の中でも、未加工の金属くずを「バラ」、圧縮したものを「プレス」、表面処理がなく酸化していない鋼板を「A」、表面処理が残っているものや酸化した鋼板を「B」と呼んで区別しています。

3種類の鉄スクラップを紹介

鉄スクラップ

鉄スクラップは、発生する過程によって以下の3種類に分けられます。

鉄スクラップの種類特徴
自家発生スクラップ鉄鋼の生産過程で発生する端材のことです。例えば、熱間圧延鋼板(ホットコイル)の両端や、鉄筋の先端など、そのままでは製品にできない部位を鉄スクラップとして再利用します。自家発生スクラップという名前のとおり、こうしたスクラップは鉄鋼メーカー自身で回収し、再利用することが一般的です。
加工スクラップ製造業において、自動車や家電製品などを製造する過程で発生する金属くずを指します。例えば、切板くず、打ち抜きくず、切削くず、ダライ粉(切り粉)などの種類があります。鉄スクラップとして加工した後は、切板くずや打ち抜きくずが元なら「新断」、切削くずやダライ粉が元なら「鋼ダライ」という名称で流通します。
老廃スクラップ鉄鋼製品が老朽化し、廃棄されたものを指します。経年劣化に加えて、スクラップの周りに非鉄が付着しているため、鉄鋼として利用するには選別・加工が必要です。

 
加工スクラップと老廃スクラップは、合わせて「市中スクラップ」と呼ばれ、主に市場に出回っているのはこのタイプの鉄スクラップです。

鉄スクラップは有価物として売却できる?

鉄スクラップを処分するときに気になる点が、有価物として売却できるかどうかです。有価物とは、金銭的な価値がまだ残っているものを意味します。自分にとってもう不要なものでも、必要としている人が他にいる場合、ごみではなく有価物として売却することができます。

鉄スクラップを含む金属くずは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)における産業廃棄物の一種です。例えば、産業廃棄物に該当する金属くずには以下のようなものがあります。[注2]

  • 鉄くず
  • 空かん
  • 古鉄・スクラップ
  • ブリキ
  • とたんくず
  • 箔くず
  • 鉛管くず
  • 銅線くず
  • 鉄粉
  • バリ
  • 切断くず
  • 切削くず
  • 研磨くず
  • ダライ粉
  • 半田かす
  • 溶接かす

 
廃棄物処理法上は、産業廃棄物は売却できず、お金を払って廃棄物処理業者に処分してもらわなければなりません。しかし、産業廃棄物に分類されるものでも、有価物として売却できる場合があります。

産業廃棄物か有価物かは、総合判断説と呼ばれる方法によって、以下の5つの要素を総合的に考慮して判断します。[注3]

判断基準ポイント
物の性状利用用途に合った品質か
飛散、流出、悪臭等がないか
排出の状況計画的に排出しているか
適切な保管、品質管理がなされているか
通常の取扱い形態製品としての市場があるか
取引価値の有無取引の相手方に有償譲渡されているか
占有者の意思占有者の意思として適切に利用、または他人に有償譲渡する意思が認められるか

 
金属くずの中でも、鉄スクラップは鉄鋼の原料として広くリサイクルされており、製品としての市場があります。またスクラップ買取業者を中心として、鉄スクラップを有償で買い取る事業者も存在します。

そのため、状態が著しく劣化しているといった事情がない限り、鉄スクラップは有価物として売却することが可能です。

ただし、鉄スクラップを売却する際は、スクラップ買取業者ごとの買取基準を事前に確認してください。例えば、中にペンキや可燃物が入ったもの(一斗缶やボンベなど)や、付き物が多いものは買い取りできない場合があります。

[注2]東京都環境局:「産業廃棄物の具体例」(参照2024-01-10)
[注3]国立環境研究所:「コレは廃棄物?~廃棄物該当性の考え方~」(参照2024-01-10)

不要な鉄スクラップはスクラップ買取業者に売却しよう

鉄スクラップとは、鉄鋼の生産過程で発生する端材や、鉄鋼製品を製造する過程で発生する金属くずのことを指します。鉄スクラップは何度もリサイクルし、鉄鋼の原料に利用することが可能です。鉄スクラップには、自家発生スクラップ、加工スクラップ、老廃スクラップの3種類があり、主に市場に出回っているのは加工スクラップと市中スクラップ(老廃スクラップ)の2つです。

鉄スクラップは産業廃棄物の一種ですが、有価物として売却することができます。不要な鉄鋼製品がある場合は、お近くのスクラップ買取業者に査定を依頼しましょう。

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