VVFケーブルとは?処分方法と買取方法を詳しく紹介

VVFケーブルは、VAケーブルやFケーブルとも呼ばれ、エアコンや照明など一般家庭の配線に広く使用されているケーブル(電線)です。

VVFケーブルのうちコネクタ除去済みのものは、銅スクラップとしての買い取りが可能です。この記事では、VVFケーブルの主な種類や、適切な処分方法・買取方法について解説します。

VVFケーブルとは?

VVFケーブル(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable)とは、主に低圧の家庭用機器に使われる「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」の略称です。

VVFケーブルは、1964年にJIS規格が定められており、JIS C 3342に基づいて製造されています。JIS規格が制定される前の呼び名から、関西エリアではVAケーブル、関東エリアではFケーブルという名称で呼ばれることもあるでしょう。

VVFケーブルは比較的シンプルな構造をしており、電気を通す導体(銅線)の絶縁体や、さらにその外側を被覆するシースが、耐候性に優れる塩化ビニル樹脂でできています。VVFケーブルという名称の由来は、ビニル(Vinyl)で絶縁され、ビニル(Vinyl)で被覆されている平形(Flat-type)のコードだからです。

VVFケーブルは、一般家庭の屋内配線や冷暖房用配線はもちろん、商業施設や公共施設など、さまざまな場所に使われています。建物一棟に対してキロメートル単位で敷設されることもある、現代社会に欠かせない電線の一つです。

VVFケーブルの仕様

VVFケーブルは、心線(芯線)の太さや本数によって分類できます。心線の太さは、1.6ミリメートル、2ミリメートル、2.6ミリメートルの3つに分かれており、本数も2心・3心・4心の3種類があります。

電線の型番は、そのケーブル固有の記号、太さ(断面積)、心線の本数、長さ(ケーブル長)の順に表すことが一般的です。例えば、太さ2ミリメートル、心線が3心、長さ100メートルのVVFケーブルの場合、型番はVVF2.0×3C×100です。

※心線の本数は、それぞれ2C・3C・4Cと表現する場合もあります。

また、VVFケーブルの許容電流(流せる最大の電流)は、心線の太さや本数に基づいて、以下のように変化します。

心線の太さ許容電流(A)
2心3心4心
1.6ミリメートル181513
2ミリメートル232018
2.6ミリメートル3227

 

※心線の太さが2.6ミリメートル、本数が4本(4心)のVVFケーブルは製造されていません。

心線の太さや本数がわかれば、仕上がり外径や重さ(概算質量)を計算することも可能です。VVFケーブルを銅スクラップとして販売する場合は、キログラム単位での買い取りが基本となるため、あらかじめ総重量を計算しておくとよいでしょう。

心線の太さ仕上がり外径(ミリメートル)重さ(グラム/メートル)
2心3心4心2心3心4心
1.6ミリメートル6.2×9.46.2×13.06.2×16.085120160
2ミリメートル6.6×10.56.6×14.06.6×17.5110160210
2.6ミリメートル7.6×12.57.6×17.0170250

 

VVFケーブルのシース色・内線色

VVFケーブルの表面のシースや、心線(内線)を覆うビニル絶縁体は、見た目で識別しやすくするために色分けされています。

VVFケーブルの場合、灰色のシースを採用することが一般的です。同じ一般家庭用の配線でも、600V-CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)には黒色のシースが用いられるなど、ケーブルの種類によって配色が異なります。

また、ケーブル内部にあるビニル絶縁体も、心線の持つ役割ごとに色が分かれています。例えば、3心のVVFケーブルの場合、絶縁体に使われる色は黒・白・赤の組み合わせです。4心のVVFケーブルや、後述するGマークVVFケーブルには、緑色の絶縁体も用いられます。

それぞれの色コードの意味は、以下の表のとおりです。

内線色役割
白色(ニュートラル線)電子機器から電気を逃がす
黒・赤色(ライブ線)電子機器に電気を送る
緑・黄色(接地線/アース線)電気を地面に逃がす

 

VVRケーブルとの違い

VVFケーブル

VVFケーブルとよく似たケーブルとして、VVRケーブルが挙げられます。VVRケーブルもVVFケーブルと同様に、絶縁体やシースの材質は塩化ビニル樹脂が主体となっています。

VVFケーブルとVVRケーブルは、その見た目(ケーブルの形状)から簡単に区別することが可能です。電線に使われる略称には、以下のような記号があります。

記号意味
V塩化ビニル(Vinyl)
C架橋ポリエチレン(Cross-linked polyethylene)
F平形(Flat-type)
R丸形(Round-type)

 

VVRケーブルは、VVFケーブルと異なり丸形(Round-type)をしているため、VVR(Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type cable)という名称になっています。

またVVFケーブルとVVRケーブルには、使用される場所にも違いがあります。VVRケーブルは低圧屋内配線(コンセント)で使用されることが多いのに対し、VVFケーブルは主に工場の電気配線や、住宅の引込口配線として敷設されることが一般的です。

4種類のVVFケーブルの特徴を紹介

VVFケーブルは、敷設する場所や用途に合わせて、さまざまな種類の製品が開発されています。

通常のVVFケーブルの他にも、表面のカラーバリエーションを増やしたカラーVVFケーブルや、接地回路が必要な場合のGマークVVFケーブル、住宅内の200V分岐回路に用いる200マークVVFケーブルなどの種類があります。

VVFケーブル

通常のVVFケーブルは、一般住宅や商業施設、公共施設など、さまざまな建物の低圧屋内配線(コンセント)に使用されています。

シースに塩化ビニルが使用されているため、耐候性が高く、長い年月の使用にも耐えられるのが特徴です。

心線は2心・3心の2種類です。絶縁体の色は、2心が黒・白、3心が黒・白・赤となっています。

カラーVVFケーブル

カラーVVFケーブルは、シースに白や赤、青、黒、オレンジ、茶、黄などのカラーバリエーションを持たせたケーブルです。

シースの色でケーブルの種類を識別できるため、誤配線を防止できるという効果があります。また周囲の色に合わせてケーブルを選ぶことで、美観を損ねず露出配線(ケーブルを建築物の表面に露出させて配線すること)を行うことが可能です。

GマークVVFケーブル

GマークVVFケーブルは、電気配線に接地回路(感電防止のため、回路の一部を地面とつなぐこと)が必要なときに用いられるケーブルです。製造メーカーによっては、Gライン・Gタイプなどの名称で販売されています。

GマークVVFケーブルの心線には、緑の接地線(アース線)が含まれており、シースの色からも識別することが可能です。屋内配線の他、IH用配線や冷暖房用配線などで使用されることもあります。

200マークVVFケーブル

200マークVVFケーブルは、住宅内の200V分岐回路に用いられるケーブルです。

一般家庭の配線には、100V用のものだけでなく、200V用のものもあります。例えば、大きな部屋用のエアコンや、ビルトインタイプのIHクッキングヒーターなどの機器を使用する際には、200V分岐回路を通じて電気を送ります。

200マークVVFケーブルの心線は、2心・3心の2種類です。絶縁体色は2心が黒・赤、3心が黒・赤・緑となっていることが一般的です。

 

VVFケーブルの処分方法

VVFケーブルとは?処分方法と買取方法を詳しく紹介_解説イラスト

ここでは、VVFケーブルの処分方法や、知っておきたいポイントについて解説します。

VVFケーブルを処分する前に必要なこと

VVFケーブルを処分する場合、以下の2点に注意しましょう。

  • 必要な場合はケーブルの絶縁抵抗を測定する
  • 買い取りに出す場合は差し込みコネクタを取り外す

 


必要な場合はケーブルの絶縁抵抗を測定する

VVFケーブルがまだ使えるか知りたい場合は、検電器や絶縁抵抗計を用いて、VVFケーブルの絶縁抵抗を測定するとよいでしょう。

絶縁抵抗を測定する手順は以下のとおりです。

  1. 絶縁抵抗計の始業点検をする
  2. 電気機器からVVFケーブルを抜く
  3. 検電器を用いて、VVFケーブルに通電していないか確認する
  4. 任意の試験電圧を設定する
  5. 絶縁抵抗計のプローブを接続する
  6. 計測ボタンを押し、絶縁抵抗値を確認する

 
絶縁抵抗が低い場合は、VVFケーブルの交換が必要なサインです。絶縁性能が低下したケーブルに電流を流すと、火災や漏電の恐れがあるため、すぐに使用を中止してください。


買い取りに出す場合は差し込みコネクタを取り外す

VVFケーブルには、差し込みコネクタという部品が付属している場合があります。例えば、Wi-Fiルーター用のLANケーブルに付いているツメ(ラッチ)も、差し込みコネクタの一種です。

差し込みコネクタは、ケーブル本体と異なる素材(プラスチックなど)でできています。VVFケーブルを買い取りに出す場合は、差し込みコネクタを取り外しておくとよいでしょう。

特に、VVFケーブルをスクラップ買取業者に持ち込む場合は、コネクタを除去した銅線のみ買取対象となることが一般的です。

VVFケーブルを処分する3つの方法

VVFケーブルの処分方法は3つあります。

  • 不燃ごみ(金属類)として処分する
  • 小型家電用の回収ボックスに出す
  • 不用品回収業者に引き取ってもらう

 

不燃ごみ(金属類)として処分する

VVFケーブルは、自治体によるごみ収集を利用し、不燃ごみ(金属類)として処分できます。

ただし、切ったり束ねたりしても一辺の長さが30センチを超えるケーブルは、粗大ごみ(大型ごみ)として処分しなければならない自治体がほとんどです。VVFケーブルをごみとして処分する場合は、あらかじめ自治体ごとの分別ルールを確認してください。

小型家電用の回収ボックスに出す

自治体によっては、VVFケーブルの窓口・ボックス回収を行っている場合があります。

例えば、新宿区では、小型電子機器に付属するケーブル類を「使用済小型電子機器等」として回収しています。区役所の窓口や、区内に設置された回収ボックスなどで、不要になったケーブルを処分することが可能です。

お住まいの自治体で、小型家電の回収ボックスが設置されているか確認するとよいでしょう。

不用品回収業者に引き取ってもらう

もう使用できない状態のVVFケーブルは、不用品回収業者に引き取ってもらうことも可能です。最短即日で回収してくれるため、スピーディーに処分できます。

ただし、回収を依頼すると手数料がかかる点や、ケーブル1点のみの回収を依頼する場合、料金が割高になる点がデメリットです。

VVFケーブルの買取方法

まとまった量のVVFケーブルがある場合は、専門業者に買い取りを依頼することをおすすめします。ここでは、VVFケーブルの買取方法を2つ紹介します。

  • 工具・電材の買取専門店に相談する
  • スクラップ買取業者に持ち込む

 

工具・電材の買取専門店に相談する

1つ目は、工具・電材の買取専門店に相談する方法です。

需要が高いVVFケーブルであれば、高く売れる可能性があります。例えば、太さが1.6~2.0ミリメートル、心線が2心・3心のケーブルは、配線工事で使用される頻度が高く、高価買取が期待できます。

ただし、工具・電材の買取専門店では、未使用・未開封のVVFケーブルしか買取対象としていない場合がほとんどです。中古のVVFケーブルや、未使用でも開封済みのVVFケーブルは、基本的に買い取ってもらえません。

また、製造年数が1年以上経過しているVVFケーブルも、査定価格が低くなってしまう可能性があります。

スクラップ買取業者に持ち込む

2つ目は、スクラップ買取業者に持ち込む方法です。

工具・電材の買取専門店で買い取れないVVFケーブルも、銅スクラップとしてなら売却できる可能性があります。ケーブルに差し込みコネクタが付属している場合は、不純物となるため取り外しておきましょう。

不要になったVVFケーブルは買取査定に出そう

VVFケーブルとは、一般家庭のエアコンや照明などの配線に使用されるビニル被覆のケーブルです。コードの形状が平形のものをVVFケーブル、丸形のものをVVRケーブルと呼んで区別します。

不要になったVVFケーブルは、不燃ごみとして処分するよりも、買い取りに出すことをおすすめします。もう使用できない状態のVVFケーブルでも、スクラップ買取業者なら買取可能です。

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